講師紹介 吉田 元

- 吉田 元
- モアナ歯科クリニック東川口院 院長
- 神奈川歯科大学 客員教授
- モアナ歯科クリニック東川口医院 院長 皆様初めましてモアナ歯科クリニックの吉田です。 2011年に開業以来自身の開業経験から、新規開業並びに継続経営のお話をさせて頂きます。 またインプラント治療を専門にしており、基礎からアドバンスまで実際の症例をお見せしながらお話しさせて頂きます。
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インプラントベーシックコース
ORTC PRIME見放題対象

これからインプラント治療を導入、開始したい歯科医師
インプラント治療におけるリスク管理や偶発症対応を学びたい歯科医師
インプラントの補綴設計や長期メンテナンスを担当する歯科衛生士
本動画は、インプラント治療の導入を検討されている、あるいは開業を機に治療を始めたいと考えている歯科医師向けに、成功の判断基準から安全な治療計画までを網羅的に解説します。
インプラント治療の成功は、単にインプラントが骨内に10年以上埋入されていることだけでなく、痛みや炎症がないこと、そして近年では美的要件も含まれると定義します。さらに、法的観点から、患者様が「診断結果」「治療方法」「別の方法」「リスク」「コスト」を深く理解し、同意(インフォームド・コンセント)を得ることが重要であると強調。同意書を用いた適切な説明と、インプラント、ブリッジ、デンチャーといった欠損治療の選択肢それぞれのメリット・デメリットを提示する重要性を説きます。
インプラント治療の適用ケースとして、パノラマX線画像から読み解ける歯周病の状況や欠損原因、アイヒナーの分類、宮地の咬合三角を参考に、レッドゾーンを避けるための治療の必要性を解説。院内患者様の統計データから、インプラントが必要な患者様を効率的に掘り起こす手順を提案します。
安全な単純埋入のためには、骨幅のルール(インプラント間1.5mm、天然歯間2mm)や、下顎管までの安全域2mm、オトガイ孔前方の安全域4mmを確保することが不可欠と示します。上顎洞底への対応としては、まずはショートインプラント(6mm程度)の活用を推奨し、残存骨2mm程度まではソケットリフト、それ以下の場合はサイナスリフトの適用が望ましいとしています。また、頬側の骨の厚みを2mm確保することの重要性が強調され、不足する場合はGBR(骨再生誘導法)やサイナスリフトなどの増骨処置の必要性が説明されます。埋入順序として、骨幅のルール、将来性の予測、上顎洞底への対応、グラフトレスコンセプト(傾斜埋入)の優先順位が示されています。
トップダウントリートメントを考慮した補綴学的ポジショニングの重要性を指摘。ドリリングのテクニックとして、高い初期固定を得るためのモディファイド・アダプテーション・テクニック(段階的な形成)や、方向をずらさずにドリル操作を行うパルスプレッシャー・テクニックが紹介されます。さらに、サージカルガイド(静的・動的)とフリーハンドの使い分けや、DTX Studio Implantのような3Dシミュレーションソフトを用いた設計についても言及されています。
術中に起こり得る出血を「骨性」「軟組織」「下顎管」「舌動脈」の4つに分類し、全てに共通する最優先の処置が圧迫止血(5分程度)であると強調。特に、舌動脈からの出血は気道浮腫による呼吸・心停止の危険性があり、即座の救急車要請と同時に、口腔外側から手指で舌動脈を圧迫する救急処置の重要性を強く訴えています。
インプラント治療は「異物を体の中に残す治療」であるため、正しい消毒、滅菌、メンテナンスが極めて重要。Surgical Site Infection(SSI)を予防するための術野の確保や抗菌薬のガイドラインへの準拠を求めます。また、インプラント周囲炎のリスクを減らすため、清掃状態、補綴物の適合精度、セメントの残留、咬合の過重の定期的なチェックを推奨し、メンテナンス時には力のコントロール(咬合調整)や迷いなき補綴物交換が大切であると締めくくっています。歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士、そして歯科関連企業が一体となって患者様中心の治療を行うことの意義を強調しています。
