
佐藤孝弘
- 医療法人オリーブデンタルハウス
理事長
インプラント治療は普及しつつも約1割のインプラントはインプラント周囲炎に罹患しており, かつ治療を試みても決まった治療方法がないのが実状です.インプラント周囲疾患の主な原因は 歯周病原性細菌であり,とくにRED Complexと呼ばれる3つの細菌が原因と示されています. 口腔内にRED Complexが存在しますと,十分にメインテナンスケアをしていてもインプラント 周囲疾患を発症するリスクが高くなります.現在はこのRED Complexを45分で検出できる細菌 検査方法があります.従来よりインプラントメインテナンスは最終上部構造が装着されてから 歯科衛生士に委ねられていますが,その時点で細菌検査の結果が分かったとしても,インプラント 周囲疾患のリスク低減に繋がりません.今回,インプラント周囲炎予防の新しい形として,初診に 近い治療計画時から患者にセルフケアの重要性を説き,かつ細菌検査によるリスク評価を段階的に していくアプローチを紹介いたします.