こんな方におすすめ
拡大床やリンガルアーチなど固定式・可撤式装置の具体的な活用法を知りたい矯正歯科医
小児の不正咬合をワイヤーを極力使わずに治療したいと考える一般歯科医
スポーツ選手の成長サポートや外傷予防に携わる歯科医療従事者
動画の紹介
成功事例で学ぶ!小児不正咬合の進行予測と介入戦略
本動画では、小児期の不正咬合が永久歯列期にどう進行するかを類型別(Ⅱ級、オープンバイト、反対咬合)に予測し、早期介入の重要性を改めて提示します。成長発育を最大限に利用する咬合育成を目指し、ヘルマンの歯齢に応じた治療のステージングを解説します。
特に、ファンタイプ拡大床を用いた歯列弓の拡大と前歯の舌側傾斜の改善、そして3Dリンガルアーチによるスペース獲得と大臼歯のローテーションコントロールなど、具体的なアプライアンスの操作とバイオメカニクスを詳述。早期治療のメリット・デメリットも包み隠さず示し、保護者への説明ポイントを明確にすることで、長期にわたる治療の成功を導くための臨床的なノウハウが満載です。
動画内容
ワイヤーレスを目指す小児矯正:拡大床とリンガルアーチの活用術
本動画は、小児矯正(予防矯正)の臨床編第2弾として、狭窄歯列の改善に焦点を当て、具体的な装置(アプライアンス)の選択と使用法を解説しています。講演者は、不正咬合が将来的に全身の健康やスポーツパフォーマンスに与える影響に言及し、早期発見と咬合育成の必要性を強調します。
ファンタイプ拡大床による効率的な歯列拡大
ムーシールドを用いた反対咬合のバイトジャンプの成功事例に続き、講演者が最も好んで使用するファンタイプ拡大床の利点が深く掘り下げられます。この拡大床は、奥義状に拡大することで正中口蓋縫合が離開するのを防ぎつつ、CC間(側切歯間)にスペースを作り出します。また、バイトプレートとしての機能も持ち、夜間の食いしばりの解消にも効果的であると説明されています。歯列弓の拡大だけでなく、全歯部の前方への誘導を促す補助線を入れることで、Ⅱ級傾向や歯の舌側傾斜の改善にも応用できる点が臨床的な価値を高めています。
3Dリンガルアーチを用いた複雑な歯のコントロール
混合歯列期から永久歯列期への移行期において、犬歯の萌出スペース不足という難題に対し、3Dリンガルアーチの具体的な活用例が示されます。この装置は、単なるスペース保持だけでなく、ループを用いた活性化により、大臼歯の遠心ローテーションやアップライトを促し、叢生解消に必要なスペースを獲得できます。ブラケットを極力使用せず、アライナーや2x4といったシンプルな装置への移行を目指す「一期治療」の重要性が、サッカー選手の症例(反対咬合の改善と外傷予防のためのインビザラインへの移行)を通じて具体的に示されています。
長期治療を成功させるための保護者への説明と機能的な視点
早期治療のメリット(成長発育の利用、非抜歯の可能性、機能的問題の改善)とデメリット(治療期間の長期化、患者の意思の維持の難しさ)を明確に伝え、最終的なゴール(正常機能を伴った永久歯列期の正常咬合)を共有することの重要性が強調されます。呼吸、姿勢、舌の位置といった口腔周囲筋機能の改善を同時に図る包括的なアプローチが、小児矯正成功の鍵であり、それが「明日の人生を守る」という大きな目標に繋がると結ばれています。