セミナーの内容
歯科恐怖症は、歯科医療そのものが原因で生じる“医原性疾患”であり、適切な対応を学ぶことで防ぐことも、改善させることもできます。しかし実際の臨床現場では、静脈内鎮静法や笑気などの薬物的アプローチに頼らざるを得ないケースも多く、「恐怖心そのものへのアプローチ」を学ぶ機会は限られています。
本講演では、歯科恐怖症の成り立ち、患者心理、迷走神経反射の理解と対応など、明日から臨床で使える“心理学的アプローチ”を体系的に解説します。さらに、歯科恐怖症を“生み出さない”ために歯科医ができる具体的な接遇・言葉がけ・治療プロセスの工夫について、症例とともにお伝えします。
また、SUD(主観的不安尺度)を用いた評価、シェイピング法、カタルシス効果の活用、精神疾患の見極めなど、一般開業医でも再現性の高い対応技術を、理論と実践の両面から学んでいただけます。
「静脈内鎮静に頼らず治療を完遂できる患者を増やす」
「歯科恐怖症を生まない診療体制を院内に構築する」
こうしたこれからの歯科医療に必要な視点とスキルを、実例を交えながらわかりやすくお届けします。
【取り上げるテーマ】
- 歯科恐怖症とは何か(背景・医原性・発症メカニズム)
- 患者心理の理解と迷走神経反射への対応
- 一般開業医ができる行動療法的アプローチ
- SUD(主観的不安尺度)を用いた評価方法
- カタルシス効果と医療面接の実際
- シェイピング法と“できる所から始める”治療ステップ
- 精神科・心療内科への紹介基準
- 歯科恐怖症を“生み出さない”院内体制のつくり方
- 症例紹介(心理的アプローチによる改善例)
- 総括:恐怖心に寄り添う歯科医療へ