感染症の種類や覚え方を解説!

歯科知識

感染症は歯科医療従事者にとって非常に重要なテーマであり、予防や管理が必要です。感染症の知識を確実に覚えるためには、理解しやすく、分かりやすい方法が必要です。

1. 感染症の分類とは?

感染症は、種類によって異なる病原体によって引き起こされます。例えば、細菌感染症、ウイルス感染症、真菌感染症などがあります。各種類の感染症について、主な病原体や感染経路、症状などを簡潔にまとめて覚えることが重要です。

感染症の「類」ってなに?分類の意味と目的

感染症の「類型」による分類は、感染症法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)に基づく実用的な区分けです。この分類は「危険度」や「感染力」、「対策の緊急性」などを考慮して定められています。

一類感染症は最も危険度が高く、診断した医師は直ちに保健所に届け出る義務があります。患者さんは特定の指定医療機関での入院治療が必要になるケースが多いです。二類、三類と数字が大きくなるにつれて、一般的には危険度や感染力が下がる傾向にあります。

2. 代表的な感染症はどんなものがある?

代表的な感染症をいくつか覚えることで、感染症の特徴や予防方法をイメージしやすくなります。例えば、風しん、麻疹、インフルエンザなどはウイルス感染症の代表としてよく知られています。これらの感染症について、主な症状、感染経路、予防法を重点的に学びましょう。 

一類〜五類までの分類表まとめ

感染症は、その症状や感染力、重篤性などに基づいて、一類から五類までの分類がされています。

一類感染症は、感染力や罹患した場合の重篤性など、総合的な観点からみて危険性が非常に高い感染症です。これらの感染症は、迅速な対処が必要であり、感染制御が急務となります。

二類感染症は、一類感染症に比べてはるかに低い危険性を持つものの、それでも感染力や重篤性が高い感染症です。感染拡大を防ぐためには、適切な予防策や対処が必要です。

三類感染症は、特定の職業に従事することによって集団感染を引き起こす可能性がある感染症です。これらの感染症は、医療従事者や関連業務を行う人々にとって注意が必要です。

四類感染症は、ヒトからヒトへの感染はないものの、動物や飲食物を介してヒトに感染する感染症です。これらの感染症は、食品の安全性や獣医などとの連携が重要です。

五類感染症は、国が感染症の発生や拡大を防ぐために情報を公開する必要がある感染症です。一般国民や医療従事者に対して、国からの情報提供や適切な対応が求められます。

以上のように、感染症はその危険性や感染経路などに基づいて分類されています。各分類ごとに適切な対応策や予防方法があり、看護師はこれらを理解し、感染症の管理と予防に努める必要があります。 

3.分類別|覚えやすい感染症のゴロまとめ

一類感染症|「南米の1番えらいペットはクマ」

一類に分類される感染症は次のようなものがあります。

  • 南米出血熱
  • エボラ出血熱
  • ラッサ熱
  • ペスト
  • クリミア・コンゴ出血熱
  • マールブルグ病
  • 痘瘡(天然痘)

それでは一類感染症を覚えるゴロを紹介していきます。

「南米の1番えらいペットはクマ」

  • 「南米」→南米出血熱
  • 「1番」→一類
  • 「え」→エボラ出血熱
  • 「ら」→ラッサ熱
  • 「ペット」→ペスト
  • 「ク」→クリミア・コンゴ出血熱
  • 「マ」→マールブルグ病

参考:健康セオリサイト

二類感染症|「ジポ結、鳥がSARSで中東へ」

二類に分類される感染症は次のものがあります。

  • ジフテリア
  • ポリオ(急性灰白隨炎)
  • 結核
  • 鳥インフルエンザ(H5N1
  • SARS 
  • MERS 
  • 中東呼吸症候群

二類感染症を覚えるゴロを紹介していきます。

「ジポ結、鳥がSARSで中東へ」

  • 「ジ」→ジフテリア
  • 「ポ」→ポリオ
  • 「結」→結核
  • 「鳥」→ 鳥インフルエンザ(H5N1
  • 「SARS」→重症急性呼吸器症候群
  • 「中東」→中東呼吸器症候群(MERS)

 

三類感染症|「パチンコ屋で赤チフス大当たり」

三類に分類される感染症は次のようなものがあります。

  • パラチフス
  • 腸チフス
  • コレラ
  • 細菌性赤痢
  • 腸管出血性大腸菌(O-157

三類感染症を覚えるゴロを紹介していきます。

「パチンコ屋で赤チフス大当たり」

  • 「パ」→パラチフス
  • 「チン」→腸チフス
  • 「コ」→コレラ
  • 「赤」→細菌性赤痢
  • 「チフス」→腸管出血性大腸菌(O157)

 

四類感染症|「黄デンマラジカ、ボツ鳥に狂う犬」

四類に分類される感染症は次のようなものがあります。

  • 黄熱
  • デング熱
  • マラリア
  • ジカ熱
  • ボツリヌス症
  • 鳥インフルエンザ
  • 狂犬病
  • ツツガムシ病
  • 日本脳炎
  • A肝炎、E肝炎
  • 炭疽
  • 野兎病
  • Q熱

四類感染症を覚えるゴロを紹介していきます。

「黄デンマラジカ、ボツ鳥に狂う犬」

  • 「黄」→黄熱
  • 「デン」→デング熱
  • 「マラ」→マラリア
  • 「ジカ」→ジカ熱
  • 「ボツ」→ボツリヌス症
  • 「鳥」→鳥インフルエンザ(H5N1を除く)
  • 「狂犬病」→狂犬病

五類感染症|「インフルMR・B・C肝、梅の木破壊」

五類に分類される感染症は次のようなものがあります。

  • インフルエンザ
  • 麻疹
  • 風疹
  • B型肝炎、C型肝炎
  • 梅毒
  • 破傷風
  • MRSA
  • VRE
  • クリプトスポリジウム症(クロイツフェルトヤコブ病)
  • AIDs

五類感染症を覚えるゴロを紹介していきます。

「インフルMR・B・C肝、梅の木破壊」

  • 「インフル」→インフルエンザ
  • 「M」→麻疹(はしか)
  • 「R」→風疹(Rubellaの頭文字)
  • 「B・C肝」→B型肝炎、C型肝炎
  • 「梅」→梅毒
  • 「破」→破傷風
     

新興感染症

新興感染症とは「最近新しく認知され、公衆衛生的に問題となる感染症」です。

新興感染症には次のようなものがあります。

  • AIDS 
  • SARS 
  • エボラ出血熱
  • 鳥インフルエンザ
  • O-157 
  • ウエストナイル熱
  • ラッサ熱

再興感染症

再興感染症とは「過去に流行し、一度は発生数が減少したが近年再び増加傾向にある感染症」のことです。

再興感染症には次のような感染症があります。

  • 結核
  • ペスト
  • サルモネラ
  • コレラ
  • マラリア
  • ジフテリア
  • デング熱
  • 狂犬病

4. 感染症の予防法は?

感染症の予防法を覚えることは、看護師として非常に重要です。ハンドハイジーン、感染経路の遮断、予防接種などが基本的な予防策として挙げられます。また、手袋やマスク、ガウン、ゴーグルなどの適切な感染予防用具の使用方法にも注意を払いましょう。 

5. 隔離しないといけない?

感染症の患者を適切に隔離することは、感染拡大の防止に大きく関わります。集団感染のリスクの高い場合には、厳格な隔離措置が必要です。それには、経気道、経皮的、飛沫感染など適切な隔離方法を正しく理解し、実践することが重要です。

6. 感染管理の方法は?

感染管理は、患者の安全のために非常に重要な要素です。感染管理の基本は、予防、検出、対応、報告のサイクルです。感染症の早期発見と適切な対応により、院内感染のリスクを減らすことができます。報告することで、他の関係者も適切な対応ができるようになります。 

まとめ

学生の皆さんは自分たちでゴロを作り、覚えやすい方法を探すことも暗記への近道です!
ライター歯科衛生士

cocco

この記事のまとめFAQ

Q1. 感染症はなぜ分類されているのですか?

A1.感染症の分類は、感染症法に基づき「危険度」「感染力」「対策の緊急性」などを基準に一類から五類までに区分されています。分類により、医療現場での優先対応や届出義務の有無などが明確になります。

Q2. 一類感染症とはどのようなものですか?

A2.一類感染症は、非常に高い感染力と重篤性を持つ感染症で、診断した医師には保健所への即時届出義務があります。南米出血熱やエボラ出血熱、ペストなどが該当し、原則として特定の医療機関での隔離入院が必要です。

Q3. 二類感染症の特徴と該当疾患を教えてください。

A3.二類感染症は一類ほどではないものの、感染力や重篤性が依然として高い感染症です。ジフテリア、ポリオ、結核、SARS、MERS、鳥インフルエンザ(H5N1)などが該当します。予防策と拡大防止策が重要です。

Q4. 三類感染症はどのような人が注意すべきですか?

A4.三類感染症は特定の職業に従事する人、特に食品関連業者で集団感染の恐れがあります。コレラ、腸チフス、パラチフス、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌(O-157)などが該当します。

Q5. 四類感染症はどのような感染経路をとりますか?

A5.四類感染症は、ヒトからヒトへの感染は少なく、多くは動物や飲食物を介して感染します。黄熱、ジカ熱、マラリア、ツツガムシ病、鳥インフルエンザなどが含まれ、獣医や食品衛生との連携が重要です。

Q6. 五類感染症にはどんな特徴がありますか?

A6.五類感染症は、国が情報を収集・公開して拡大を防ぐべき感染症です。インフルエンザ、麻疹、風疹、B型・C型肝炎、梅毒、破傷風、AIDSなどが含まれ、特に定点報告や全数把握が求められるケースがあります。

Q7. 新興感染症と再興感染症の違いは何ですか?

A7.新興感染症は近年になって新たに認知された感染症(例:SARS、エボラ、O-157)で、公衆衛生上の対策が求められます。再興感染症は、一度は減少したものの、再び流行が増加している感染症(例:結核、デング熱、マラリアなど)です。

Q8. 感染症の予防には何をすればいいですか?

A8.予防の基本は「ハンドハイジーン(手洗い)」「感染経路の遮断」「予防接種」です。また、手袋・マスク・ガウン・ゴーグルなどの個人防護具(PPE)の適切な使用も欠かせません。

Q9. 感染症はすべて隔離が必要なのですか?

A9.全ての感染症で隔離が必要なわけではありませんが、集団感染のリスクが高い場合には厳格な隔離措置が求められます。感染経路に応じて、経気道・経皮的・飛沫などに対応した適切な隔離を行うことが大切です。

Q10. 感染管理で重要なことは何ですか?

A10.感染管理は「予防・検出・対応・報告」の4つのサイクルで構成されます。早期発見と迅速な報告により、院内感染などのリスクを大幅に軽減できます。特に報告によって他の医療スタッフとの連携が円滑になります。
 

 

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